和歌山に住むなら必ず知っておきたい南海トラフ地震まとめ

南海トラフ地震とは何か?

南海トラフ地震は、30年以内に、マグニチュード8~9クラスの地震が、70%~80%で起きると想定されています。

なぜなら、南海トラフ沖では、90~150年周期で、マグニチュード8程度の地震が、繰り返されたからです。

(参考)県民の友 2020年9月号 P.2

想定される地震の規模・津波の高さ
南海トラフ巨大地震東海・東南海・南海
3連動地震
マグニチュードM9.1M8.7
最大津波高8~19m5~10m
最短津波到達時間津波高1m:3分第1波最大津波高:5分
備考欄発生頻度は極めて低い90年〜150年周期で発生
参考 県民の友 2019年9月号広報誌 | 和歌山県

南海トラフ巨大地震(マグニチュード9.1)・東海・東南海・南海3連動地震(マグニチュード8.7)と、非常に大規模な地震である事が分かりますね。

90年〜150年周期で起きているのが「東海・東南海・南海3連動地震」で、さらに広い震源域(宮崎県の日向灘を含む)が「南海トラフ巨大地震」と呼びます。「南海トラフ巨大地震」は発生頻度は低いとされていますが、仮に発生すると甚大な被害が想定されています。

南海トラフで発生する地震とは?
和歌山県では、南海トラフ(*1)で発生する地震として以下の2つの大きな地震の発生が想定されています。

東海・東南海・南海3連動地震(地震規模:マグニチュード(*2)8.7)
南海トラフ沿いの3つの領域(東海・東南海・南海)においては、約90年から 150年周期で繰り返し津波をともなう地震が起きてきました。3つの地震が同時に起こることを3連動地震といい、特に大きな被害が想定されています。

南海トラフ巨大地震(地震規模:マグニチュード9.1)
東海・東南海・南海地震の震源域より、さらに広域(日向灘を含む)の震源域で 地震が連動した場合の、最大クラスの地震のことで、実際に発生したことを示す記録は見つかってはいません。発生頻度は極めて低いが、仮に発生すれば極めて甚大な被害が想定されています。

(参考)南海トラフで発生する地震とは? | 和歌山県

90年〜150年周期で発生する南海トラフの地震

ちなみに、マグニチュード8を超える地震は、以下の間隔で起きています。

1854年 安政東海地震 M8.4
↓32時間後
1854年 安政南海地震 M8.4

 

1944年(昭和19年) 昭和東南海地震 M7.9
↓2年後
1946年(昭和21年) 昭和南海地震 M8.0

前回の地震1946年から、すでに75年が経過しているので、地震の可能性は高まっているというわけですね。

想定被害規模も大きい

東日本大震災(マグニチュード9.0)より震源域が近いため、広範囲で被害が予想されています。

そのため、東日本大震災(死者・行方不明者 2万2千人)よりも被害が甚大で、なんと想定される死者数が最大約33万2千人です

まったく想像できない規模ですね・・まずは知ることから始めていきましょう。

必ず見ておきたいシミュレーション動画

必ず見ておきたいのが、内閣府作成のこちらの動画です。全部で17分程度ありますが、この内の3分程度がシミュレーション映像です。これだけでも見ておく価値ありです。

(再生ボタンを押すと、ちょうどシミュレーション映像がはじまります)

死者数が最大で東日本大震災の約17倍と恐ろしい数字です。

これだけの被害が想定されるなら、対策しようという気持ちになってきますね・・。

(NHKスペシャル)MEGAQUAKE 南海トラフ巨大地震 迫りくる“Xデー”に備えろ

「NHKスペシャル MEGAQUAKE 南海トラフ巨大地震 迫りくる“Xデー”に備えろ」(2018/9/1放送分)がYoutubeで公開されているので、こちらもオススメです。

特に、気象庁が発表する南海トラフ地震の「臨時情報」について、分かりやすく解説されています。

南海トラフの想定震源域の周辺で、「マグニチュード6.8以上の地震」が発生したり、「通常と異なるゆっくりすべりが発生した」場合などに、南海トラフ地震の臨時情報(調査中)が発表されます。さらに危険性が高まると、「巨大地震注意」「巨大地震警戒」の情報が発表されるようです。

  • 調査中
  • 巨大地震注意
  • 巨大地震警戒
  • 調査終了

臨時情報が発表された際、「モノ不足」「ガソリン不足」などが起きるとされ、避難するかしないか、考えておく必要がありそうです。

参考 【NHKスペシャル】もしも南海トラフ巨大地震が発生したら?シミュレーションCGとドラマで解説Youtube(NHK) 参考 南海トラフ地震に関連する情報の種類と発表条件気象庁

津波到達までわずか2分の和歌山県

特に和歌山は、津波が到達するまで最短2分しかなく、逃げ遅れる可能性が高いです。海側にお住まいの方だけでなく、よく出かける場所などの高台や避難ビルなどを確認しておいた方が良さそうですね。

私も美浜町や御坊市はよく買い物に行くので、チェックしておきたいと思います。

(参考)南海トラフ地震対策編(内閣府)

主な市町村の津波最短到達時間は、以下の通りです。

最短到達時間
和歌山市50分
御坊市18分
新宮市5分
すさみ町5分
那智勝浦町4分
串本町3分

他の市町村については、こちらのPDFファイルを確認して下さい。

参考 都府県別市町村別津波到達時間一覧表 (PDF形式)内閣府

また、和歌山県は、南海トラフ巨大地震の津波シミュレーション動画を公開しています。こちらも合わせて確認しておきましょう。

参考 南海トラフ巨大地震の津波シミュレーション動画和歌山県

ハザードマップを確認する

津波がすぐにやってくる事は分かったので、次はハザードマップを確認しておきましょう。ハザードマップは、県や市町村などの自治体が発表しています。

例えば、こちらは御坊市が公表している、南海トラフ地震を想定した津波ハザードマップです。

また、和歌山県も津波浸水想定図を公表しています。

その他の地域のハザードマップも公表されているので、こちらから確認してみましょう。合わせて、各市町村が発表しているハザードマップも確認しておきましょう。

参考 南海トラフ巨大地震の津波浸水想定図和歌山県

また、和歌山県防災ナビ(アプリ)のマップからも、ハザードマップを確認することができます。

想定される被害

断水(上水道)

(和歌山県の場合)断水する割合は、被災直後は8割、1週間後5割、1ヶ月後1割とされています。必ず断水すると思っておいた方がいいですね。

平成23年紀伊半島大水害では、私の住むあたりは1週間程度断水しました。飲料水・トイレ・お風呂など必要な水の確保を考えておきたいところです。

停電(電気)

(和歌山県の場合)停電する割合は、被災直後は9割、被災4日後は1割程度とされています。電気も必ず停電すると思っておいた方が良さそうです。

通信の不通

(和歌山県の場合)固定電話の不通率は、被災直後は9割、被災1日後は8割程度とされています。

また、携帯電話の不通率は、被災直後は1割程度、被災1日後は8割、被災4日後は1割程度になっています。被災直後は、基地局の非常用電源で通信が可能になりますが、輻輳により通じない事もあるでしょう。1日ほどすると基地局の非常用電源も落ちて、通信ができなくなります。

ちなみに(2019年時点で)私が住む地域の場合、ドコモは丸1日、AUは1日ちょっと、ソフトバンクはすぐに通じなくなりました。

情報を得る手段としては、防災無線とラジオがいいですね。

防災への備えメモ

必ずチェックしておきたいウェブサイト

和歌山県にお住まいなら「防災わかやま」と各市町村の防災ページは必ずチェックしておきましょう。

防災わかやま
http://bousai-portal.pref.wakayama.lg.jp/

日高川町の場合は、こちらです。

防災|日高川町
https://www.town.hidakagawa.lg.jp/bousai/

防災アプリ

防災関連情報を得るために便利なのが、防災アプリです。

(参考)和歌山県防災ナビのトップ画面

このいずれかのアプリを入れておけば、気象警報や避難情報などを配信してくれます。

また、スマホではない方は、「防災わかやまメール配信サービス」で情報を手に入れましょう。

防災わかやま(Twitter)

2019/07/30~防災わかやまのTwitterアカウントが開設されました。Twitterは災害時にも強いインフラとして注目されています。

例えば、上記の「防災わかやま」のホームページに接続できない場合・「メール配信サービス」が動いていない場合等、Twitter経由で情報を得られるのが嬉しいですね。

NHKの報道によると、以下の情報が配信される予定とのことです。

  • 避難勧告や避難指示
  • 土砂災害警戒情報
  • 記録的短時間大雨情報
  • 大雨特別警報

県の防災情報専用のツイッターアカウント「防災わかやま」は、災害対策課が30日から運用を始めました。
発信する内容は、災害時に住民の命を守るための重要な情報が中心で、具体的には、避難勧告や避難指示、それに、土砂災害警戒情報や、記録的短時間大雨情報、さらに、大雨特別警報などが対象です。
停電などが起きた場合でもツイッターを通じて、スマートフォンなどから防災に関する情報を伝えるのがねらいだということです。
(参考)防災情報専用のツイッター開設|NHK 和歌山県のニュース(2019/07/30)

関西電力の停電情報

関西電力では分かりやすく停電情報を配信されています。

参考 停電情報関西電力送配電株式会社

2019年7月4日〜関西電力の停電情報アプリがはじまりました。プッシュ通知でお知らせがあり、復旧情報が見ることができ、便利です。

2020年7月4日に、寒川で停電が発生した際も、通知がありました。復旧見込みも表示され、逐一更新されているようで好感を持てました。

停電情報アプリ

停電情報アプリ

停電情報アプリ

関西電力の停電情報アプリは、こちらからご確認ください。

参考 停電情報アプリ「関西停電情報」のご紹介関西電力送配電株式会社

停電対策メモ

以前、台風で3日間ほど停電になり、けっこう困りました。そこで、停電対策として、まとめてみました。

すぐに食べられる食料品を準備

お湯でできるご飯パックが活躍します。後はレトルト食品を買っておくのもいいですね。

ガスもダメになる事も考えるとカセットコンロが良さそう。あとは缶詰もいいですね。

モバイルバッテリーを充電

これがめちゃ役立った、基地局が生きている間は、スマホが主要な情報源に。

車のガソリンを満タン

ラジオも聞けるし、携帯も充電できます。

台風対策なら、事前にガソリンを満タンも大事です。地震はいつ起きるか分からないので、対策しづらいですが・・

現金を準備

停電でATMが止まるため、現金を準備しておきましょう。

10円玉・100円玉を準備、公衆電話を使うために使います。

ランタンの電池の準備

夜の明るさは、安心につながります。暗いのは不安なので、けっこう重要です。

最低三日分の食料

食料や水や生活必需品は、最低三日分・推奨一週間分を用意しておくのが良いそうです。

 

以上、南海トラフ巨大地震のまとめでした。他にこんなことに気をつけたらいいよという情報がありましたら、教えて下さいね。みんなで事前対策していきましょう!

MEMO
令和元年6月、南海トラフ巨大地震の新しい被害想定が発表されました。

参考 南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ内閣府